2009年7月3日金曜日

ミュンヘン映画祭: 「空を夢見る盲目の豚」

ドイツの映画祭といえばベルリナーレだけど、ここミュンヘンでも先週金曜日から今週土曜日まで約1週間、映画祭が行われております。
”Far East”、”Latin America”と、地域に焦点を当てたプログラムも組まれていて、日本からは押井守の「スカイ・クロラ」、北野武の「アキレスと亀」、塚本晋也の「悪夢探偵2」が上映されるようで。
他に”Far East”のカテゴリーで多いのは、中国、フィリピン、インドネシアからの映画。中国はわかるけど、フィリピンやインドネシアからも2・3本ずつ出品されていて、これはどうしたこったい。
ってパンフレット見ていて目に留まったのは、

Blind Pig Who Wants To Fly

空を夢見る盲目の豚・・・
この題名だけでも見ないわけにはいかないような衝動に駆られるのだけど、
更に映画から抜き取られた写真には、
爆竹をフランクフルトみたいにパンに挟んだのを口にくわえた少女が・・・
(この写真は、上のリンクから公式サイトに行けば見れるよ。)

これは、授業サボってでも見に行かなくちゃ、って授業は休講で幸いサボらなくてもよかったのだけど、
とにかくこの映画、めっちゃくちゃよかった。
日本では1度大阪で上映されて、まだ次に日本で上映する予定はないらしいのだけど、
要チェックです!
参考までに、公式サイトの登場人物紹介を意訳して下に載せさせていただきます。
これだけで面白いことはわかってもらえると思うのだけど、
トレイラーとか写真とかも見たら、この映画がキレイだってこともわかるかと。

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バドミントン元インドネシア・チャンピオンの母(Verawati)
彼女は、インドネシアのバドミントンナショナルティームの代表選手。しかし、彼女はインドネシア人なのか中国人なのか、質問され続けることにうんざりしていた。1980年代初頭、中国との世界選手権決勝で男の子が一言、いったいどちらがインドネシアの選手なの? 外見からはわからなかったらしい。そしてその瞬間、彼女は選手生活に幕を下ろすことを決断したが。しかしそれ以後も、”Indonesia”とロゴのついたユニフォームは着続けている。

盲目の歯科医である父(Halim)
彼は、バドミントン・チャンピオンの夫となることで、中国人としてではなくインドネシア人としてもっと楽な生活ができると考えていた。彼の希望は、彼自身そして家族のためにグリーン・カードを取得し、アメリカに移住すること。何年か前、目がパッチリ二重になるよう自らメスで切り開いた。それ以来彼はサングラスをかけ、スティーヴィー・ワンダーに自らを投影している。I just called to say I love you...

Linda
彼女は、彼らの娘。彼女が夢見ているのは、幼いころ一緒に爆竹に情熱を注ぎ、その美しさを共有したかの友を見つけ出すこと。彼らは幼馴染だったが、彼の両親が彼女といると中国人に間違えられるからといって彼らを引き離した。それ以来、彼女は抜け殻のようになってしまう…

Opa(祖父)
彼は、人生を謳歌している。笑いを絶やさず、気力にあふれ、友人と一緒にビリヤードをしながら死を待っている…

日系マナド人の親友(Cahyono)
彼は小さいころから、自分が中国人でもマナド人でもなく日本人であることを常に周りに示して生きてきた。ゆえに、いつでも野球のユニフォームを身に着けている。彼はテレビ局で犯罪ドラマの編集者として働いているが、とあるオーディションの編集中、モニターの中に偶然幼馴染の姿を見つける…

権力を持った二人の患者(HelmiとYahya)
彼らは元官僚のコスプレ好き。Halimにグリーン・カードを与えると約束し、また1998年の暴動から彼の家族を守った。しかし、彼らはとてつもなく冷酷でもある…

インドネシア人の美人看護婦(Salma)
彼女は美しいインドネシア女性で、夢を叶えるためなら何の犠牲も厭わない。ちなみにその夢とは、オーディションを勝ち抜いてアイドルになること。

盲目の豚 
彼は空を夢見ている。

・・・そして、それぞれの人生が交錯する。

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