2008年11月9日日曜日

日韓ぶんかろん

とある誕生日会での一コマ。

絵の勉強をしている韓国の女の人に会った。
なんでもドイツの方が若い芸術家に門が広く開かれているため、この秋にパリからミュンヘンに移ってきたらしい。

ひょんなとこから、話はまたまた日中韓の文化について。
日中韓の文化の中でも、特に日韓の文化が似ている、と。
kazushiもそんなことコメントしてくれてたなぁ、って思い出して、
どうして?って訊いてみた。
彼女曰く、


中国はコミュニズム、
韓国はその中国と一線を画すべく特に戦後自らを変えようとしてきたし、
中国と韓国の間には北朝鮮があった。
この政治制度の違いから、日本を始め他の資本主義国との文化交流が多かった。
また、韓国は日本に30年間占領されていた。
韓国と一番文化が似ているのは、台湾かもしれない。

この話を聞いたときに、どこか納得できなかった。
まず、自分には中国が「コミュニズム」っていうイメージがすごく薄い。
国が経済をコントロールした結果、皆が平等な暮らしができる、っていうコミュニズムの理想状態から中国があまりにかけ離れてるから。
それに、中国の人と話したときに中国はコミュニズムだから違うんだ、なんて感じたことが自分はない。
(そんなに数は多くないし、海外に来ている中国の人としか話したことはないけど。)

次に、その話からすると日本と韓国のかかわりが強くなったのは1910年韓国併合から今まで約100年。
それに対して、中国と韓国が陸続きに強く結びついていた過去数千年の歴史をどう説明するのか。
日本と韓国のどの部分が似ている、ということは話さなかったから分からないけど。

最後に、韓国と台湾の文化が一番似ているのが、
両国とも韓国にとっては北朝鮮、台湾にとっては中国という共産国家のダイレクトな脅威にさらさる中、自国を差別化を図った結果だとすれば、その差別化はどのようになされたのか。


話がこれ以上深まることはなく、
ヨーロッパにいると、やっぱり東アジアの人とは話しやすいよね、
という方向に落ち着いていく・・・

僕は、台湾にはたった2泊だし、韓国・中国には行ったことがない。
だから、自分の東アジアに対してのイメージの多くは、
「ヨーロッパにいると、やっぱり東アジアの人とは話しやすいよね」
ってとこから出発している。
この距離感ってすごく心地いいけど、東アジアに対して知識も経験も足りないくてちょっと薄っぺらい。

中国・韓国行かねば!

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

吉光さんの日記いつもマジ親近感なんですけどww

僕も韓国旅行の記憶は皆無なんで、実際はよくわからないですけど、やっぱり日本と韓国は似てると思います。面積・人口・経済状態・言語(文法)・消費文化・飲み文化・先輩後輩文化・・・。

こっち来る前は、韓国人と中国人は親近感的にはほぼ同じってか中国人のほうがよく知ってるから親近感だったんですけど、最近は韓国語がちょっとだけ聞き取れる&同じ留学生という境遇からか、もはや韓国人が異国人に見えなくなってきている(爆)

国立で一番のソウル大学に対して私立の延世大学と高麗大学がつづくっていう構図が、東京大学と慶応と早稲田にそっくりっていうようなディテールまで時々似てますw

>中国はコミュニズム
中国の今の若者は思想的にはほとんど僕ら(日韓)とおんなじような感じだと思います。けど、やっぱりキャンパスライフとかは全然違って、その辺りでの遊び方とかのスタイルが韓国と日本はよく似て見えますね。あと、いずれにせよ政治体制も経済状態も今の日韓とはやっぱり違いますし。

ただ、韓国ももともと独裁政権でした。コミュニズムではなかったですけど、昔は今の北朝鮮と大差ない独裁体制で(むしろ北朝鮮の方が経済状態もよく、評価が高い時代もあった)87年からようやく民主化していったという形でしょう。むしろ大衆運動の中でマルクス主義は力を持っていただろうと思いますし。日本も学生運動のときはそうでしたし。

その意味では、韓国と台湾が似ているっていうのはよくわかります。台湾の文化はたぶんやっぱり中国的ですけど、共産主義国と対峙しているっていう点、そして90年ごろに民主化して、それまでは独裁政権だった点(台湾も国民党独裁でかなりひどかった。このあたりの政治体制はぱっと見よく似てます)日本の植民地だった点。(台湾の大衆運動にマルクス主義はなさそうな予感がしますけど、ちょっとわかりません。僕の同期の都留ってやつが台湾で留学してるんで今度聞いときますw)

とにかく、中国や北朝鮮との差別化をはかったとすれば、90年代に経済的に安定してからなんじゃないかたってと思いますけどね。それまでは結局独裁政権があったのでよく似ていたんじゃないですかね。

とはいえ、日本も韓国も中国も民主主義を制限して上からの経済政策を推し進めたという点で同じ「開発主義」として捉えられるっていう本を最近読みました。日本も55年体制でしたし。

まぁ結局行かないとわかんないですけど、校内における僕の心的距離感的にはこうなります↓

日本>韓国>>>中国>>>その他

s.Yoshimitsu さんのコメント...

kazushiぃぃぃ!いつもコメントありがとう^^

親近感は、同じく留学中だし、アジアネタも多いとこから来るのかな。
もうちょいドイツとかヨーロッパについても考えなきゃ、って反省してたとこw

kazushiの意識の中に、韓国人と中国人に対する親近感の差が「>」3つ分もある、っていうのは面白いな。
僕の場合、確かに韓国人と中国人に対しては同じ東アジア人、っていう親近感が歩けど、韓国人と中国人との間に差はほっとんどない。
でも、ないっていったら多分ウソで、
あるとしたら、東アジア人の中で韓国人と日本人は中国人に対して少数派っていう仲間意識。それと、やっぱり中国っていう国が事実上独裁政権だしどこかよくわからないところがある、っていうところからくる一種の警戒感から来てると思う。
つまり、僕の場合は、日韓文化の共通性よりかは、むしろ中国っていう国に対するよくわからない正体不明のネガティブなイメージから差別化がなされていて、あんまり褒められたもんじゃない。


韓国と台湾の独裁政権については突っ込みたかったのだけど、機を逸してしまいました。
戦後、資本主義と民主主義が同時に達成された日本からだと、冷戦時代の東西イデオロギー対立の図式は、

共産主義+独裁政権VS資本主義+民主主義

だけど、戦後独裁政権が長く続いた韓国と台湾では、

共産主義VS資本主義

という図式だったってことかな。
それでも、韓国の彼女(おそらく20代後半)が日韓の文化の共通性の原因を戦後に見るところから、前者の図式を日本と韓国が民主改善から共有してた、っていう印象を受けるんだよね。
韓国の民主化における主導者が国民だった、っていう自負が民主主義に対する意識を強めてるのかもしれない。

台湾については恥ずかしながら全く知らないし、韓国についてもほとんど知らないのだけど、たとえ政府が独裁政権だとしても、国民の民主主義への欲求っていうのは80年代後半にいきなり発生したのではなくて、その潮流は昔からあったはずでしょう。だから、政府とは離れた市民レベルで、共産・独裁体制の中国と差別化を図ろう、っていう意識があって、それが日本を始めとした西側諸国との経済交流、更には文化の共通性になって顕れていた、っていうのはありえるんじゃない?

いずれにせよ、韓国と台湾が独裁政権時代と民主化後とどれだけ変わったり変わってなかったりするのか、っていうのは面白いテーマだよね。

匿名 さんのコメント...

20代後半くらいだと80年代生まれですよね。そうすると小学校以降はずっと民主化&経済発展以後の世界なんで、それ以前の世代とは一線を画してると思うんです。僕には単に歴史を知らないからだと思います。同じことは中国人にも言えますけどね。僕らだって80年代以前の空気は全然わからないですからね。ちなみに僕のルームメイトの韓国人も26歳ですw

今の日本と韓国が似てると思えるのは、消費文化の影響が一番大きい気がします。北京大学だと化粧をしてたら十中八九韓国人なんですよ。そういう細かいことがクローズアップされて拡大解釈されていくんじゃないですかね。

市民レベルでは差別化をはかるというより政府と対峙するっていう意識の方が強いんじゃないですかね?むしろイデオロギーで他国と差別化をはかろうとするとしたら政府の方じゃないですか?ナショナリズムの維持に使いやすいですし。

中国にも民主化の動きはあったわけで(天安門事件などが典型)80年代末までの市民の政治意識に関してはむしろ中国・韓国・台湾の三国で似ていたと考えるほうが自然じゃないですかね。

ちなみに今の中国の大学生たちの多くは、なんとなく心が中国の政治体制の外にある感じがします。つまり外国人みたいに自国の政治体制を見れてるような気がします。だから、そういう意識はほぼ同じだとそんなに違和感はないです。北京大学だからってのはあると思いますけど。

s.Yoshimitsu さんのコメント...

確かに。民主化以前の台湾や韓国が市民レベルで民主化への欲求から共産独裁体制の中国から差別化を図ったって言うよりか、各国の独裁政権に対峙した側面の方が強いっていう方に賛成。

台湾と韓国が90年前後に民主化する以前から、日本との文化交流・経済交流によって、両国と日本との文化的共通性が強まっていたのではないか。その一つの要素として、台湾・韓国の民主化を求める市民がすでに民主化を達成していた日本に接近した、ということがあるんじゃないか。と言いたかった。
ま、それは文化交流史やら経済統計やら見てみないと分からない話なのだけど。

独裁政権に対して民主化を求めるという意味で、80年代末まで中国・台湾・韓国で市民レベルの政治意識が似通っていたっていうのにも賛成。


一つ質問。
中国の大学生の多くが客観的に自国の政治制度を見るときに、どういう反応を示すの?
民意の反映できない独裁体制はよくない、民主化すべきだ。
それとも、経済発展を遂げているし問題なし??

匿名 さんのコメント...

すいません、細かい主張はよくわかりませんけど、ノリとしてはわりと「共産党(笑)」みたいな感じの人が多い気がします。要するに少し他人事っぽい感じですかね。まぁ日本もあんま変らないですけど。(まぁ結構憶測の域を出ませんけど)

もちろんそれぞれ意見は持ってると思いますけど、それはちょっとフォローできてません(汗)

s.Yoshimitsu さんのコメント...

謝謝、kazushi!!