2009年5月12日火曜日

Deutschland nervt!

Deutschland nervt!
Hans-Erich Viet, 2009

タイトルは、ちょっと訳しにくいのだけど、"nervt"っていうのは動詞で神経を苛立たせるとか疲れさせるっていう意味。もともと名詞の神経"Nerv"、つまり英語の"nerve"から来てる。3・4年間に渡ってドイツ中を撮りまわって、ドイツのおかしいところを撮ってまわったドキュメンタリー。
本当にいろいろな人が撮られていて、その中で日常のちょっと笑っちゃうようなシーンがたくさん盛り込まれていて、自分もわかるところは一緒になって笑っていた。けど、その中でレストランを営んでいる台湾人がドイツ人の覆面男4人組に襲われた時の話をしているのがあって、確かに話し方がちょっとこっけいなところはあるのだけど、ピストル出されてやばかった話をしているのに笑ってる人がいて、なんだそれ、笑い事じゃねぇだろ、って思った。
たぶん、アジア人が出てきて他人事だったのがちょっと自分事になったからだと思うけど、よく考えたらドイツ人の観客はそれまでずっと自分たちドイツ人のことについても笑ってたじゃないか。この人たち、自分たちの自身のことを笑っているのに気がついているんだろうか?

とかそんなことを電車の中でぼーっとヘッドホンつけながら考えていたら、いきなり頭を叩かれた。
なに!?って思って振り向いたら、女の人が、手が手すりから滑って落ちちゃったのよ、って笑ってる。
なんで笑うんだよ?こっちはいきなり頭叩かれて痛かったんだよ。なめんな。
まぁ確かに手が滑ったのはうそじゃないだろうし大したことないと思ったのかもしれないけど、
頭って叩かれると結構ズキってドーンとした鈍い痛みがするし、
ヘッドホンしてると音も余計に響いてショックも大きい気がするんだよね。
たぶん、そのショックの認識に差があって、つまりその女の人にとっては軽いもので、
笑ったのは自分を守るための、照れ隠しみたいな笑いだったのかもしれない。

映画でも、観客は、自分も含めて自分たちのちょっとおかしい恥ずかしいような姿を見せられて、
照れ隠しの笑いをずっとしていたのかもしれない。
けど、自分たちが笑っていることは、笑い飛ばせるほど軽い事ではないのかもよ。

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